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外壁塗装で優良業者を見極めるには?悪徳業者の手口と見極めるポイント

外壁塗装

公開:2024.07.04 更新:2024.07.04

外壁塗装は高額な工事であり、後悔のない選択をするためには、優良業者を見極めることが重要です。悪徳業者の巧妙な手口に騙されて、高額な料金を請求されたり、粗悪な工事をされたりするトラブルは後を絶ちません。

「外壁が劣化している」「そろそろ塗装時期だ」などと、つい業者に言われるがまま契約してしまうと、高額な料金を請求されたり、粗悪な工事をされたりするリスクがあります。こちらは、外壁塗装で優良業者を見極めるためのポイントと、悪徳業者の手口について詳しく解説します。

監修者のひとこと

ホームライフ株式会社 専務取締役・新屋 豪

ホームライフ株式会社 専務取締役・新屋 豪

塗装事業に携わって12年。主に営業職ですが、専務取締役として会社の業績向上の取り組み、お客様のサービス・品質の向上および管理などをおこなっております。弊社施工実績7000棟以上、数多くのメーカーから何度も表彰されており、お客様からの満足度も高く、ホームセンターで毎週リフォーム相談会をおこなっております。大切なお住まいをより快適に過ごせるよう、お客様に満足していただけるよう精進してまいります。

外壁塗装は悪徳業者も存在する

手でバツをつくる男性

画像出典:フォトAC

外壁塗装を考える多くの方が直面する悩みの一つは、信頼できる業者をどう選ぶかということです。特に、悪徳業者に騙されることを心配されている方も多いのではないでしょうか。実際、リフォーム詐欺のニュースが報道されることもあり、今でも悪質な工事や営業を行う業者が存在するのは残念な事実です。

悪徳業者に騙される最大の原因は、「もしかしたら悪徳業者かもしれない」という危機意識が不足していることです。この意識を持つことで、悪徳業者に騙されるリスクを大幅に減らすことができます。

悪徳業者が多い理由の一つとして、外壁塗装が外から見えるため営業しやすい点があります。飛び込み営業で「外壁にヒビがある」「塗装が劣化している」と不安を煽られると、つい契約してしまいがちです。

さらに、外壁塗装には定価がなく、業者によって価格が異なるため、依頼主が価格の妥当性を判断しにくいことも一因です。このように外壁塗装で悪徳業者が多い理由は様々ですが、手口を知ることで被害を防止できます。

悪徳業者の手口とは?

注意

画像出典:フォトAC

外壁塗装は専門的な知識や技術が必要であり、補修の必要性や適正価格の判断が難しいのが現状です。悪徳業者は、依頼者の知識や判断の隙を突いた巧妙な手口で契約を迫り、高額な料金を請求してきます。ここでは悪徳業者が良く使う手口をご紹介します

◇不安をあおって契約を急かす

悪徳業者がよく使う手口の一つは、依頼主の不安を煽って契約を急かすことです。例えば、「劣化がひどいので早く工事しないと壁が崩れる」「放っておくと雨漏りする」「構造まで劣化して家自体がダメになる」など、外壁の状態を大げさに悪く言い、不安を与えてきます。特に、地震や台風の後、多くの人が「家に影響はなかったかな」と不安に感じている時期にこの手口がよく見られます。

もちろん、訪問してくる業者が全て悪徳業者というわけではありません。中には、誠実に対応してくれる良心的な業者も存在します。しかし、良心的な業者は急に契約を迫ったりはしません。「今すぐ契約しないと危険」などと過度に不安を煽り、契約を急がせるような業者は、悪徳業者である可能性が高いと言えます。

◇大幅な値引きや特別価格などを提案してくる

大幅な値引きを提案して契約を急かす場合も注意が必要です。例えば、「今日中に契約すれば費用を割り引きます」「本日までのキャンペーン価格です」といった営業トークです。

しかし、経済的な大きな変化がない限り、割引やキャンペーンがすぐに無くなることはありません。急いで契約しなくても大丈夫です。

また、高額な値引きで契約を促す業者も要注意です。良心的な業者は、最初から適正価格を提示するはずです。工事内容や条件が変わらずに金額だけが引き下げられる場合、工事の質や適正価格が疑われます。

値引きには心理テクニックも使われており、最初に高い価格を提示してから安い価格を提示することで、安い価格が高く感じさせる効果があります。

◇見積書に詳細が書かれていない

悪徳業者は、見積書を意図的に曖昧にし、詳細を具体的に記載しないことがあります。必要な工程が省かれているため、後で追加料金が請求されることがあるだけでなく、契約したはずの塗料や工程が実際には行われない(例:3回塗りのはずが2回しか行われない、塗料が不十分に薄められる等)といったトラブルも起こりえます。

こうしたトラブルを避けるためには、見積書に具体的な工程や使用する塗料の種類、数量、単価などが明記されていることを確認しましょう。見積書の確認の仕方については後ほど詳しくご紹介します。

◇オリジナル塗料を使用している

オリジナル塗料とは、業者が独自に開発したと主張する塗料ですが、その品質や効果を客観的に評価することは難しいです。業者側が詳細を公開せず、一般的なシリコン塗料と同様の性能であっても、長期耐久性や特別な特性を持っているかのように誇大広告を行うことがあります。

悪徳業者は、オリジナル塗料を使用していると主張することで、高価な塗料を買わせることを狙っています。オリジナル塗料を持ち出して高額な料金を要求する業者には警戒が必要です。業者の提案する塗料について詳細に確認し、必要に応じて他の専門家に意見を求めましょう。

見積もりを取る前に確認すべきこととは?

見積り

画像出典:フォトAC

外壁塗装は、建物の寿命を延ばし、美観を保つために欠かせないものです。上述したような、悪徳業者の手口に騙されない為にも、外壁塗装を依頼する際は、契約前にしっかりと業者を見極めることが重要です。以下では、見積もりを取る前に確認すべきポイントについて詳しく解説します。

◇地元の施工実績

信頼できる外壁塗装業者を選ぶ際には、その業者の地元での施工実績を調べることが重要です。施工実績は、業者の信頼性や技術力を示す重要な要素となります。施工の質に自信のある業者は、自社のウェブサイトやパンフレットなどで過去の施工実績を公開していることが一般的です。

これらの実績をチェックすることで、その業者の信頼性を確認することができます。自社のWebサイトを持っている業者であれば、そのWebサイトに施工事例や実績が載っているかをチェックしましょう。これにより、信頼できる業者を選ぶための参考になります。

◇資格を取得しているか

外壁塗装業者を選ぶ際には、「建設業許可」と「塗装技能士資格」、「外装劣化診断士」の有無を確認することが重要です。これらの資格は、業者の信頼性や技術力を判断する指標となります。

まず、建設業許可は、国土交通省や地方自治体から建設業を行う業者として認められた証明です。この許可がある業者は、公的機関からの信頼性が高いと言えます。

次に、塗装技能士資格は、塗装の実技・学科に関する試験に合格した職人に与えられる国家資格です。塗装技能士1級の受験条件は実務経験が7年以上必要となっており、合格には確かな技術が必要不可欠と言えます。この資格がなくても塗装業務は可能ですが、この資格を持っている職人は、確かな技術力を持っていると言えるでしょう。

最後に、外装劣化診断士は、外壁や屋根の劣化状況や雨漏りのリスクを診断し、適切な補修工事やメンテナンス計画を立てるスキルを持っています。

建物診断をきちんと行っているか

建物診断は、外壁塗装の見積もりをする前に行われる基本的な作業です。高精度のセルフ見積もりを提供している業者でも、最終的な見積もりの前には現地調査を行います。建物診断の結果は、建物の状態や必要な補修内容を客観的に把握するために必要不可欠です。

また、建物診断の結果を口頭だけでなく、書面での報告があるかどうかも重要です。口頭での説明のみでは、内容を正確に把握できなかったり、言った言わないの争いになったりする可能性があります。

こちらは弊社の建物診断書の一部です。調査した箇所を写真で記録し、補修が必要な箇所については詳細に記載されています。このように、分かりやすい言葉で記載することで、後のトラブルや誤解を防ぎます。

簡素な見積もりは要注意!

点検

画像出典:フォトAC

簡素な見積もりは、必要な情報が欠落していたり、後々追加料金が発生する可能性があるため、注意が必要です。外壁塗装や屋根塗装などの建築工事では、塗装する面積や数量、使用する塗料の種類や品質、工程や作業内容、足場仮設費用など、細かい項目が明確に記載されています。

ここでは、注意が必要な見積もりと見積書で確認すべき項目について解説します。

「一式」といった簡素な見積もりには注意

優良な業者は具体的で詳細な見積書を作成します。そのため、「一式」という表現はほとんど使いません。具体的な工程や使用する塗料が明確になっているため、詳細な内容が示されるからです。

一方、「一式」という表現を多用する業者は悪徳業者の可能性が高いので、見積書の書き方も注意が必要です。見積書が「塗装工事一式=○○円」といった簡素な表記で、工程の詳細や数量、単価が具体的に示されていない場合、その業者を疑うべきです。

◇見積書で確認すべき項目

※こちらは、弊社の見積書の一部です。

工程ごとに細かく記されています。外壁塗装の見積書は、業者によって書き方が異なるため、分かりにくい場合もありますが、信頼できる業者はこのように詳細な見積書であることが一般的です。

以下で、見積書をチェックする際に重要なポイントを紹介します。

名称数量単位備考
【1,仮設工事】
仮設足場架け、払いビケ足場
飛散防止ネット養生ビニール養生含む
高圧洗浄
【2,付帯部分塗装工事】【付帯部塗料】マックスシールド1500Si-JY(アステックペイント)、【錆止め塗料】スーパーザウルスⅡ(関西ペイント)
破風板mケレンペーパー作業後、下塗り塗布、シリコン樹脂塗装
水切りmケレンペーパー作業後、錆止め塗布、シリコン樹脂塗装
シャッターBOXヵ所ケレンペーパー作業後、錆止め塗布、シリコン樹脂塗装
雨樋※縦・横mケレンペーパー作業後、シリコン樹脂塗装
軒天ケレンペーパー作業後、軒天用塗装
【3,外壁塗装工事】仕様:メーカー:アステックペイント 耐用年数:15年~18年
下塗:エポパワーシーラー水性形一液外壁用エポキシ系下塗材
中塗:超低汚染リファイン1000Si-IR水性形二液外壁用低汚染遮熱シリコン系上塗材
上塗:超低汚染リファイン1000Si-IR
クラック補修コーキング補修
※こちらは、弊社の見積書の一部です。
※単価及び金額は非公開です。

塗装する面積や数量

塗装する面積や数量は、塗料の使用量や足場仮設の費用などの根拠となる重要な情報です。外壁、屋根、破風板、雨樋など、塗装する部位ごとに面積や数量が明確に記載されているか確認しましょう。

具体的には、外壁や屋根の面積(㎡)、破風板や雨樋の延長メートル数(m)などが記載されているかを確認します。面積や数量が記載されていない見積もりは、信頼性が低い可能性があるため、注意が必要です。

塗料の種類や名称

使用する塗料の種類や名前は、性能や価格を大きく左右する重要な要素です。シリコン塗料、フッ素塗料など、塗料の種類だけでなく、メーカー、商品名、耐用年数まで具体的に記載されているか確認しましょう。

工程ごとの項目

外壁塗装工事は、足場仮設、洗浄・養生、下地処理、塗装、仕上げなど、さまざまな工程で構成されています。各工程ごとにどのような作業を行うのか、具体的な項目が記載されているか確認しましょう。

例えば、高圧洗浄、亀裂補修、コーキング、マスキング、塗装回数など、詳細な項目が記載されている見積もりは、工程を丁寧に行う業者であると判断できます。

足場仮設費用

高所で作業を行う場合は、安全のために足場仮設が必要です。足場仮設費用は、見積書に明記されているか確認しましょう。足場仮設費用が記載されていない見積もりは、実際には別途請求される可能性が高いので注意が必要です。

付帯部の塗装

外壁や屋根以外にも、雨樋、破風板、軒天などの付帯部も塗装が必要です。付帯部の塗装が見積書に記載されているか確認しましょう。付帯部の塗装が記載されていない見積もりは、実際には別途請求される可能性が高いので注意が必要です。

悪徳業者と契約してしまったら?

悩む女性

画像出典:フォトAC

悪徳業者に不安を煽られて契約してしまった、工事内容が酷いなど、契約を後悔している場合は、クーリングオフ制度を利用することで契約を解除することができます。ただし、クーリングオフの適用期間は契約日から8日間と限られているため、迅速な対応が求められます。

◇クーリングオフの適用を検討する

外壁塗装では、悪質な訪問販売による契約トラブルが今でも跡を絶ちません。クーリングオフは、そんな訪問販売による契約トラブルから消費者を守る為に、訪問販売や電話営業等で契約をした後、解約を行うことが出来る制度です。

契約をした日から8日以内であれば、クーリングオフ制度が適用されます。訪問営業や電話営業といった勧誘で、冷静な判断ができない状態での契約をしてしまった際、消費者を守る目的で設けられました。契約自体に問題がなければ、ほとんどの場合で適用されます。

また、工事がもうすぐ始まるのに、業者が契約書や工程表を持ってこない場合、特別な事情がない限り、悪徳業者や手抜き業者の可能性が高いと考えられます。このような場合は、工事依頼を撤回し、クーリングオフの適用を検討することが重要です。

◇クーリングオフの適用条件

クーリングオフが適用されるケースは以下の通りです。

契約書受領から8日以内

契約書にクーリングオフが可能と記載された場合、契約書受領日から8日以内であればクーリングオフが適用されます。

業者の呼び寄せ

契約者が自ら業者を呼び寄せた場合はクーリングオフ対象外ですが、業者からの勧誘による契約は対象となります。

個人と法人の契約

個人が法人と契約した場合はクーリングオフの対象となります。

注意書きの不備

契約書に法律で定められたクーリングオフに関する注意書きがない場合、または不備がある場合に適用されます。

契約書不受領

契約書を受け取っていない場合はいつでもクーリングオフが可能です。

嘘や威圧的手法

業者が嘘や威圧的な手法でクーリングオフを阻止し、消費者が勘違いして期間を過ぎた場合でもクーリングオフは適用されます。

以上の条件を満たす場合、工事が着工した後でも期間内であればクーリングオフが可能です。工事が始まっているからといって断られた場合は、国民生活センター(消費者生活センター)へ相談しましょう。クーリングオフでは、既に始まってしまった工事も全て業者負担で元通りにする必要があります。

外壁塗装で後悔しないためには?

ポイント

画像出典:フォトAC

外壁塗装は、美しい外壁を蘇らせ、建物の耐久性や機能性を向上させる効果が期待できます。しかし、失敗すれば多額な費用を無駄にするだけでなく、仕上がりや性能に不満が残る可能性もあります。ここでは、後悔を防ぐためのポイントについて解説します。

◇相見積もりを依頼する

外壁塗装には定価がなく、1社だけの見積もりでは、適正価格かどうかの判断が困難です。相見積もりを取ることで、複数の業者の見積金額を比較することができます。また、相場を知ることで、悪徳業者に法外な料金を請求されるリスクを減らすことができます。

見積もりを取る際に費用だけでなく、業者の説明の丁寧さや対応のよさも重要です。業者の姿勢は、実際の施工内容にも影響を与える可能性があるため、慎重に判断しましょう。ただし、業者の数は3社程度にとどめることをおすすめします。多すぎると選択肢が増えすぎてしまい、逆に選ぶのが難しくなることがあります。

◇カラーシミュレーションを行っている業者に依頼

外壁塗装でよくある後悔の1つが、色に対する後悔です。カラーサンプルで選んでも、実際に塗ってみるとイメージと違ったということは少なくありません。また、塗料の豊富な選択肢に悩んでしまうこともあるかと思います。

そこで、弊社ではお住まいの塗り替え工事完了後をイメージしやすくするために、外壁塗装・屋根塗り替え、バルコニー部分などのカラーシミュレーションを提供しています。

例えば、「この色で塗ったら仕上がりはどのようになるのか?」という質問を受けることがありますが、実際に施工を行う外壁の写真を使ってシミュレーションを作成するため、具体的なイメージを持ちやすくなります。これにより、色に対する後悔を防ぎ、満足のいく仕上がりの実現が可能となります。


外壁塗装は、建物の耐久性や美観を保つ上で不可欠なメンテナンスですが、近年では悪徳業者によるトラブルが急増しています。悪徳業者に騙されないためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。

まず、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。これにより、適正な価格の判断や業者間の信頼性の比較が可能となります。また、業者の説明や対応をしっかりと確認し、信頼できる業者に依頼することも大切です。特に、見積書の内容の確認や、塗装前の建物診断がきちんと行われているかは重要なポイントです。

さらに、悪徳業者の手口を知っておくことも重要です。悪徳業者は、不安をあおって契約を急かしたり、大幅な値引きや特別価格などを提案したりすることがあります。

もし悪徳業者に契約してしまった場合は、クーリングオフ制度を利用して契約を解除することができます。クーリングオフ制度は、一定の期間内であれば契約を取り消すことができる制度であり、消費者を保護するための重要な制度です。

外壁塗装を依頼する前に、これらのポイントをしっかりと確認し、悪徳業者に騙されないようにしましょう。

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